栗本先生
僕が感謝している先生の一人に「栗本先生」という先生がいる。
だいたい、感謝している先生というのは、
「ずーっと気にかけてくれた。」
とか
「いつも厳しく指導してくださった。」
といった「長い付き合い」と「深いエピソード」があることが多いが、栗本先生の場合は違う。
僕と栗本先生の関係は「中1の1年間数学を担当していた先生」でしかない。
でも、僕は栗本先生に心の底から感謝している。
なぜなら、「ちょっとしたこと」を、よく見つけてくれて、よく褒めてくれたからだ。
例えば、僕は中学生のとき、各教科ごとにノートや教科書をファイルでまとめていた。
こんな感じで。
家で明日の準備をする時間を減らすための工夫だったけれど、しょうもないことだ。
でも、栗本先生はノーベル賞級の発明をしたくらいのテンションで褒めてくれた。
「あーーー、そんな方法があったかー。
なるほどねー。天才だねぇ!」
また、教科書の解き方がよく理解できなくて、無理やり答えを出したときも、とんでもない勢いで褒めてくれた。
「いやー、そうやって一生懸命考えることが大事なんだよねぇぇ。
いいねぇ、ふじいくん!!」
今まで、誰にも褒められなかった部分を急に褒められると、本当に嬉しかった。
僕も子どもたちのほんのちょっとした変化や工夫に気づいて褒めてあげられるような先生になりたいと思っている。、